2021.08.29 ブログ
スーツの袖釦は外せる?外せない?☆高級感を演出!今さら聞けない本切羽(ホンセッパ)とは
名古屋オーダースーツのCENTOブログをご覧いただきまして、いつもありがとうございます。
本日はオーダースーツの袖口に付いている釦穴にまつわる話を。スーツの細部のディテールの一つでもある『本切羽/ほんせっぱ』にフォーカスして記事を書きました。
テーマはズバリ!「今さら聞けない☆本切羽(本開き)とは」について。。
今さら聞けない☆本切羽、本開き(ほんびらき)とは?
スーツの上着、袖口の釦穴(ボタンホール)が実際に機能する開閉可能な仕様を本切羽と呼びます。スーツ・ジャケットの仕立てで、すでにメジャー化していますが本物志向を求められる方にご要望の多い仕様です。
反対に釦穴が実際に開いていないけれど、「穴かがり」によって釦穴があるように見せた仕様のことを『開き見せ』といいます。
『本切羽』と「開き見せ」について
・本切羽
・開き見せ
開き見せ・通称「飾り切羽」、お飾りのように入れられた簡易の仕様になります。ですので本切羽のように釦穴は開きません。釦穴がほつれないようにしっかりとした密度で縫われている本切羽と比べると簡素化されている分、重厚さに欠けチープな印象になります。
実際にスーツを仕立てる際に『本切羽』か「開き見せ」の仕様を選べるとしたら『本切羽』をおすすめします。有料オプションが発生する場合はそれぞれ費用対効果でお考えください。
ちなみにCENTOでは有料オプション料金が発生することなく『本切羽』仕様を標準装備しています。もちろん「開き見せ」仕様も同様でお選びいただくことも可能です。それぞれ好みのスタイル、ご要望にしっかりと寄り添って対応させていただきます。
本切羽仕様=高級なスーツってことでOK?
結論からいいますと「本切羽」仕様だからといって、すなわち『高級スーツ』と盲目的になるのは良くないです。
本切羽はスーツ発祥と言われるイギリスでは当初、存在しなかったディテールです。もともとジャケットの袖口に釦が付いているだけで、本切羽のように開く仕様にはなっていませんでした。本切羽の起源は諸説ありますが、私の好きな説は
- 19世紀初頭に外科のお医者さんが戦場でジャケットを着用しながらの手術や手当ての際に当然ですが袖口が汚れてしまいます。そこでサヴィル・ロウの仕立て屋さんが袖口をまくれる(腕まくりができるように)ボタン穴本開きの仕立てを考案した。
このような経緯で本切羽が誕生したとのお話です。そこから本切羽は利便性を向上させる仕立てとして、人々に受け入れられていったといわれています。
『本切羽は高級スーツのディテール』といった風潮はイタリア・ナポリ発で浸透しました。仕立ての腕に自信のあるナポリのテーラー職人自らの腕前・技術の高さを示しつつ、本家であるイギリス仕立てとの差別化を図るために本切羽に注力。そして日本に空前のイタリアン・ファッション、イタリア仕立ての高級スーツが流行し、一部のファッショニスタから『本切羽=高級』なイメージが徐々に広がっていき、一般層にまで広く定着していった形です。
そして現在はといいますと「本切羽」の仕様は安価な既製スーツにも備わっています。ロープライスのオーダースーツの仕立てにもオプション料金を追加すれば装備可能です。
「本切羽」や他ディテールばかりに目がいってしまうと、良質な仕立てスーツ自体の本質を見誤ってしまう可能性があります。経験と情報収集を元に良いスーツ・仕立て屋さんを見つけてくださいね!
CENTOで実際にお仕立てしたオーダースーツの画像を元に袖口の『本切羽・本開き』、そして「開き見せ」についてご紹介しました。
スーツの新調を考えている方は、あくまでもディテールの一つとして参考にしていただければ嬉しいです♪
拘りの『本切羽』でオーダースーツを作る際の流れはこちらで紹介しています。
下記のブログでは本切羽に並び、拘りのディテール『AMFステッチ』についてもまとめていますので、こちらも参考にしてください。
『AMFステッチ(ピックステッチ)とは。オーダースーツのカギを握る拘りのステッチ!』
本切羽で袖口のボタンを一つか2つ外しておしゃれ感を演出するも良し、あえてボタンを外さずスマートに着るも良し、その時々の気分で楽しんでくださいね♪
拘りの本切羽仕様を追加オプション料金が発生することなく、高品質で美しく身体に合った本物志向なオーダースーツを仕立てるなら名古屋栄のCENTOにぜひお任せください!